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サンペドロ湾の
大気汚染と清浄化の取り組み

アメリカのカルフォルニア州にあるサンペドロ湾は、ロサンゼルス港とロングビーチ港という2つの大きな港を抱えた、アメリカ有数の海の玄関です。しかし、周囲を山で囲まれた沿岸地域は、地形的に空気が停滞しやすく、船舶や貨物トラックが排出した大気汚染物質による健康被害が問題となっていました。

この環境問題を解決するために、ロサンゼルス港とロングビーチ港の共同による、大気浄化プログラム(Clean Air Action Program、CAAP)が2006年から開始しました。呼吸に悪影響を与える窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)、発がん性のあるディーゼル排気微粒子(DPM)といった大気汚染物質の削減に取り組んでいます。また、地球温暖化対策として、CO2削減にも取り組んでいます。

CAAPでは、港を利用するトラック、外航船、荷役機械、港内艇、鉄道機関車を対象にして、それぞれ達成目標を定めています。トラックの場合、排気ガスを規制し、車両の買い換えや改良、代替燃料車の採用を推進しています。外航船では近海における減速を要請し、燃料による規制を実施。また、停泊中の排気ガスを削減するために、必要電力を陸上から給電するAMPの導入を義務付けています。荷役機械、港内艇、鉄道機関車では、エンジン環境性能による規制を行っています。
CAAPの取り組みが功を奏し、大気汚染物質は2005年と比較して徐々に減ってきています。グラフは、2005年を基準とした比率となっており、2008年までが実績値、2009年以降が予測値です。CAAPでは、2014年までに窒素酸化物を22%、硫黄酸化物を93%、ディーゼル排気微粒子を72%削減することを目標にしており、順調に目標達成に向かっているといえます。

CAAPは、連邦政府や州政府ではなく、港が主体となって取り組んでいるプログラムとして、アメリカ国内だけでなく海外からも注目されています。しかし、港の施設整備費や、とりわけ規制が厳しいトラックの買い換えの費用を誰が負担するか、といった資金面での課題が残っています。また、全地球上の大気汚染を解決するには、このプロジェクトを多くの地域に広げる必要があります。全世界が一体となって大気汚染に向き合ううえでも、サンペドロ湾の先進的な取り組みは、示唆に富んだものとなることでしょう。

The Port of Los Angels

http://www.portoflosangeles.org/

日本海事センター

http://www.jpmac.or.jp/

国際臨海開発研究センター

http://www.ocdi.or.jp/
大気汚染物質は2005年と比較して徐々に減ってきています。